まどりばん!

霧野しおり

ゲームブック・195パラグラフ・エンディング3個

ある朝、村から人の姿が消えた。犬のマドは、家々に宿る五人の精霊と出会い、村人たちの足跡をたどり、音に耳を澄ませ、掘り当てた道を選びながら、閉じた家の記憶をほどいていく。

タグ:ファンタジー、精霊、ほのぼの、犬、長編

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冒頭

朝の鐘が、村の屋根を越えて響いていた。パン屋の煙突からは細い煙が上がり、店先まで焼けた小麦の匂いが流れてくる。

マドは戸の前に座り、人が出入りするたびに顔を上げた。白い粉の付いたムギじいの手が見えると、その手が差し出されるより先に、前足が二歩ぶん近づいていた。

ムギじい「待たせたな。ほら、いつもの端っこだ」

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