玄関に人がいます
小説・全3話
誰もいないはずの実家から、見守りカメラの通知が届く。その映像を確かめた日から、日常が少しずつ変わり始める。
タグ:ホラー、連載
冒頭
母の死後も、見守りカメラの通知だけが届いた。
一人暮らしを心配して、私が実家の玄関に取り付けたものだ。
葬儀のあと、通知を切ろうとして設定画面を開いたが、母の名前を削除するのが嫌で、そのまま閉じた。
最初の通知は、午前二時十七分に来た。
〈玄関に人がいます〉
映像を開くと、母が立っていた。お気に入りだった薄紫の服を着て。
うつむいているので顔は見えなかったが、右の肩が少し下がる立ち方は、間違いなく母だった。
音声をオンにした。波の音がした。実家は、海から百キロ以上離れている。
母が何か言った。音量を上げた瞬間、映像が止まった。
翌朝、叔父に実家を見てもらった。
玄関は施錠されていて、誰かが入っ…
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